黒胡椒の香り

私どもはシェフ+ソムリエの2人しかいない小さなお店なので、時々シェフの簡単な手伝いをやらせてもらえる時があります。その中でも私が一番好きなのがこの、黒胡椒を手作業で潰していく(ミニョレット)です。上手にやらないと粒が飛び散って大変なことになりますが、作業中にブワッと広がる黒胡椒の香りを確認する、よい機会です。

というのは、ワインのテイスティングコメントで胡椒を述べることになる時があります。すぐに思い浮かぶのが白ワインでオーストリアのグリューナ・ヴェルトリーナーやアルザスのゲヴュルツ・トラミネル(白胡椒)、赤ワインでしたらシラーなど(黒胡椒)。その品種・産地だから必ず出る、と言うわけではないのがブラインドテイスティングの難しいところですが、温暖で日照量の多いケースで出やすいようです。

土居シェフは肉を焼く際に胡椒は振らない方針ですので、お料理に対してワインでペッパー(パンジェント)を足していく、という発想も出来ると思います。

目下のところオールド/ ニュー・ワールドの境目も微妙になりつつあります。というのは、例えばテロワールの素晴らしさに目をつけたオールド・ワールドの造り手がニュー・ワールドで造るワインは、ある程度ワインを勉強した人ですら「これはオールド・ワールドだ」とコメントしたりする、タイトなニュアンスがあります。それだけ、気候条件や土壌は違えど、造り手の考え方で作り込むことも出来る時代なのだと感じます。

土居シェフはバターをしっかり使うスタイルですので、このお料理を引き立てるワインを探すというのがリスト上の肝となっています。最近はフランスに限らず、ワールドワイドにラインナップを始めております。ぜひお気軽にお立ち寄りください。